Nishi-Koiso House/ Oisomachi Nakagun Kanagawa

[ Gardendesign / House / 2021 ]


風光明媚な景色と温暖な気候は江戸時代から浮世絵などに描かれ、文化を育んだ街である。
多くの政財界人の別荘地として人気を博した。
対象地は、山側と海側の2つの庭がある住宅である。
空と海は青く、街は山々に囲まれていて、季節の移り変わりを自然を通して感じることができる土地。
また、朝焼け-夕暮れと時間の流れを楽しませてくれる。

「心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ」

新古今和歌集 西行法師

歌人の西行法師が大磯から藤沢にかけての旅で詠んだ歌である。
西行が沢の方に向かって歩いている途中で、山々の風景と沢に飛び立つ鴫から歌の発想を得たと言われている。

本件は、この情景から着想を得て、土地の原初的な美しさを庭に取り込む。
土地の歴史から紐付ける風景は、暮らしを豊かにすると共に、一途の流れを感じさせてくれる。
まずは山側を作庭する。


photo: Sakakura Keiichi

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